Inorganic Chemistry
金沢大学 無機化学研究室
球状無機ホストゲスト錯体
バナジウムと酸素からなるフラーレンのようなナノメーターサイズの球状分子を合成できる。VO5の四角錐単位から構成され、四角錐単位のピラミッドの底辺に相当する面を球の中心に向けた構造を持つ。そのため、底面に存在するバナジウム陽イオンとの静電的相互作用により中心に様々な陰イオンを取り込むことができ、無機ホストゲスト錯体を形成する。多段階の酸化還元能や触媒活性を有する。バナジウムの酸化数はV(V)
またはV(IV)であり、混合原子価状態をとりやすく数段階の1電子可逆な酸化還元に対して安定な骨格を持つ。V10, V14, V15, V16, V18, V22, V34からなる骨格が知られている。中心には多様な陰イオンをゲスト分子として包接できる。