Placeholder image

Inorganic Chemistry

金沢大学 無機化学研究室

環状バナジウム酸化物配位子による無機錯体化学

 固体酸化物の表面にヘテロ原子が埋め込まれたモデルは、さまざまな物性や触媒能を発現する鍵となる局所構造と考えられる。たとえば、触媒の活性中心は活性点となるヘテロ原子が酸化物に埋め込まれている。その化学的理解のためにはヘテロ原子を含有する酸化物分子が必用です。そこで、環状の酸化物を無機配位子に見立てて中心に様々な遷移金属イオンをヘテロ原子として取り込んだヘテロポリオキソバナデートと呼ばれる無機錯体の開発を行っている。

 VO4四面体からなるバナジウムの多員環構造は、クラウンエーテルのような酸素原子を供与基とする多座配位子として機能し、自由な環の配座が可能である。その結果、多様な配位環境を持つ金属イオンを受け入れることができる。四配位四面体型、四配位平面型、五配位四角錐型、六配位八面体型、八配位四方逆プリズム型など、四配位から八配位のあらゆる配位環境に適応でき、イオン半径の違いも環員数を調整することで対応できる。

Placeholder image

Back